海外のスナック・ベーカリー食品における新しい甘味料に関する考察

現代では、健康の概念は絶えず進化しており、消費者は食品に含まれる糖分や使用される甘味料の種類にますます注意を払っています。2018年のIFIC健康調査の結果によると、なんと7億7,100万人の消費者が過剰な糖分摂取を避けるよう努めています。

しかし、2015～2020年の米国食事ガイドラインでは、住民は1日の総摂取カロリーの10%以下を添加糖から摂取すべきであると推奨されているにもかかわらず、現実は楽観的とは程遠く、この要件を満たしているアメリカ人はわずか42%です。注目すべきは、添加糖の主な摂取源がケーキやクッキーなどのスナックやデザートに集中していることです。

これを踏まえて、スナック菓子やベーカリーのメーカーは、製品の配合を調整し、砂糖含有量を減らすことに全力を注いでいます。特に、FDAの新しいラベルガイドラインでは、2020年1月までに「添加糖類」の情報をラベルに追加する必要があると規定されています。しかし、砂糖を減らすのは簡単なことではありません。ご存知のように、砂糖は素晴らしい風味を与えるだけでなく、さまざまな健康上の利点もあります。したがって、砂糖に代わる甘味料を探すときは、カロリーが低いだけでなく、砂糖と同様の複数の機能要件を満たす必要があります。次に、現在海外のスナック菓子やベーカリー食品に含まれている新しい甘味料を見てみましょう。

新しい甘味料の長所と短所の分析

新しい甘味料の登場は食品業界に多くの変化をもたらし、大きな利点を持っています。まず、低カロリーまたはゼロカロリーです。これは体重管理や健康を気にする消費者にとって非常に重要で、カロリー摂取量を減らしながら甘味を楽しむことができます。たとえば、ステビアやエリスリトールはカロリーを追加せずに甘味を提供できます。次に、一部の新しい甘味料は甘味度が高いです。つまり、望ましいレベルの甘さを達成するのに必要な量はわずかで、使用コストと食品の量と味への影響が削減されます。さらに、安定性が高く、さまざまな加工条件や保管環境でも一貫した甘味を維持できます。

しかし、新しい甘味料にも欠点がないわけではありません。欠点の 1 つは、一部の甘味料に後味の問題があることです。たとえば、特定の人工甘味料は摂取後に不快な後味を残す場合があります。さらに、一部の新しい甘味料は比較的コストが高く、食品の生産コストが増加し、製品価格に反映される可能性があります。さらに、一部の新しい甘味料については、消費者の受け入れと認識をまだ改善する必要があります。一部の消費者は新しい成分について疑問や懸念を抱く可能性があり、誤解を払拭するために科学の普及と宣伝をさらに必要としています。

結論として、新しい甘味料は食品業界にさらなる選択肢と革新をもたらす一方で、消費者のニーズと期待にさらに応えるためには、研究開発と応用において継続的な改善と改良も必要です。

新しい甘味料の安全性の分析

食品添加物としての新しい甘味料の安全性は常に注目されています。現在、世界中で広く使用されている甘味料は数十種類あり、これらの甘味料の安全性は多くの国際食品安全機関によって確認されています。

コーデックス委員会などの権威ある機関、および欧州連合、米国、オーストラリア、カナダ、その他の国の機関はいずれも、認可された甘味料を関連規制や基準に従って使用すれば、人体への健康被害は発生しないと考えています。この結論は、長期にわたる厳格な安全性評価の結果得られたものです。

例えば、アスパルテームは1965年に発見されました。砂糖の約150～200倍の甘さがあり、エネルギーはほとんどないため、砂糖の代替品として優れています。「人工合成」というラベルのためにさまざまな疑問、特に発がん性があるという非難にさらされてきましたが、多くの研究機関による10年以上の研究の後、明確な証拠は見つかっていません。米国食品医薬品局（FDA）は1981年に特定の食品への使用を承認し、その後、他の国（中国を含む）や国際関係機関もその安全性を認めました。1996年までにFDAはアスパルテームの使用制限を解除し、あらゆる食品への使用を許可しました（フェニルケトン尿症の人を除く）。

中国で使用が認められている甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、シクラメートなど20種類あり、これらはすべて世界中のほとんどの国や地域で認められています。中国では甘味料の使用範囲と使用量についても厳しい規制があります。

食品添加物に関するFAO/WHO合同専門家委員会（JECFA）は、認可対象となる各甘味料の毒性試験（急性、亜慢性、変異原性、発がん性、生殖毒性、慢性毒性など）や代謝経路、動態研究報告書を長期にわたる「厳密な」科学的評価を行い、これに基づいて許容一日摂取量（ADI）を提案しています。ADI値の策定にあたっては、人種、性別、年齢などさまざまな要素が十分に考慮されています。JECFAは、ADIに従った通常の甘味料の摂取では安全性に問題はないと考えています。

一般的な甘味料であるスクラロースを例に挙げると、JECFAはスクラロースのADIを1キログラムあたり0〜15ミリグラムと定めています。炭酸飲料1本（330ミリリットル）に甘味料としてスクラロースのみが使用されており、中国の「食品添加物の使用基準」で規定されている上限（1キログラムあたり0.25グラム）に従うと、体重60キログラムの成人が1日に11缶以上の炭酸飲料を飲むと（この人の食事でスクラロースを摂取する他の源がないと仮定）、許容一日摂取量を超えると計算されます。したがって、適度に摂取する限り、基準を超える心配はありません。

しかし、いくつかの研究結果にも注意が必要です。例えば、2022年3月24日に発表された研究では、人工甘味料（特にアスパルテームとアセスルファムカリウム）を大量に摂取した登録者は、がんのリスクが高かったことが示されました。しかし、この研究では、この結果では人工甘味料とがんの因果関係が確定したわけではなく、根本的なメカニズムを確認し、明らかにするにはさらなる研究が必要であることも指摘されています。

結論として、合法的に適度に使用される新甘味料については、通常、その安全性について過度に心配する必要はありません。ただし、消費者は関連知識を理解し、正規のルートから製品を選択し、合理的な食事に注意し、バランスの取れた栄養を維持し、総エネルギー摂取量を制御する必要があります。同時に、関連部門も甘味料の使用に対する監督を強化し、標準規制に従って甘味料が合理的に使用されるようにし、公衆衛生を保護する必要があります。

まず、BENEOのイソマルチュロース甘味料についてお話しします。この甘味料はサトウキビと蜂蜜から抽出した、グルコースとフルクトースからなる機能性炭水化物です。ショ糖の理想的な代替品として、血糖上昇反応が非常に低く、カロリーは砂糖の半分しかありませんが、ショ糖に非常に近い自然な甘さを提供します。イソマルチュロース糖アルコールは、高温でも安定し、酸や酵素による加水分解に耐性があるという優れた特性を持っています。吸湿性が低いことは大きな利点であり、クッキーやチョコレートなどのベーカリー製品の製造に使用できます。高温多湿の気候で販売しても、関連製品は高い安定性を維持できます。マフィンでは、イソマルチュロースは美しい茶色と心地よい甘さを与えます。吸湿性が低いため、良い生地を作ることができます。ドーナツでは、ショ糖の一部をイソマルチュロースに置き換えると、水分活性と水分移動を制御し、保存期間を延ばすことができることがテストで明らかになっています。また、イソマルチュロースを使用した釉薬は長期間透明性を保つことができ、吸湿性が低いため釉薬がべたつきません。

次に、Icon Foods の KetoseSweet + を見てみましょう。この成分は、実際には、ジャックフルーツ、イチジク、レーズンなどの果物から得られる希少糖であるアルロースと、ステビアと羅漢果を組み合わせたものです。味は砂糖に非常に似ており、甘さは砂糖の 1.5 倍です。さらに、メイラード褐変反応に参加し、タンパク質と糖と相互作用してカラメルを生成するため、ベーカリー製品に最適な甘味料です。また、酵母を活性化できるため、発酵食品に特に適しています。ある程度の吸湿性があるため、栄養バーで保湿の役割を果たすことができます。KetoseSweet + は、砂糖よりもカロリーが 90% 低く、血糖値に影響を与えません。単独で使用することも、他の甘味料と組み合わせて使用することもでき、この製品は液体と結晶の両方の形で入手できます。

さて、機能性シロップについてお話しましょう。Cirandaは最近、オーガニックライスシロップを製品に導入しました。この機能性 米飴 結合剤、膨張剤、褐変剤として機能し、酵母発酵を起こし、水分の移動を防ぎ、製品の保存期間全体にわたって安定性と一貫した食感を提供するのに役立ちます。開発者は、異なるデキストロース当量（DE）レベルのシロップを組み合わせて、理想的な風味バランスを実現できます。米シロップは消費者によく知られており、認識されているため、クリーンラベルの開発に適しています。単独で使用することも、キャッサバシロップや蜂蜜などの他の甘味料と組み合わせて使用することもできます。この成分は、シリアルやバースナックの結合剤として使用できます。クッキーやペストリーなどのベーカリー製品では、風味、食感、色を提供できます。

カーギルは最近、4 種類の非 GMO およびクリーン ラベルのキャッサバ シロップを追加して甘味料のポートフォリオを拡大しました。カーギルは、「新しいシロップ シリーズを作成する際、当社の研究チームは、既存のコーン/グルコース シロップの組み合わせに代わる特定の炭水化物特性と DE レベルを持つ製品の開発に注力し、追加の配合作業をほとんど必要とせずに 1:1 で置き換えることができました」と述べています。キャッサバ シロップはスナック バーに最適です。結合剤として機能し、粘り気を帯びすぎずに材料をまとめます。また、水分を保持するのにも役立ち、栄養バーを長時間しっとりと保ちます。

次世代のステビア糖についてお話しましょう。今年、カーギルはレブMとレブDから作られたゼロカロリーの新世代甘味料、エバースイートの商業生産を開始しました。ご存知のように、ステビア植物は微量のレブMとレブDしか抽出できないため、カーギルは発酵によってエバースイートを生産しています。この方法により、より持続可能な方法で大量のレブMとレブDを商業生産することができます。エバースイートは苦味や後味のない甘さを提供し、より丸みを帯びた、より速い甘さの発現を生み出すことができます。大幅なカロリー削減を求めるメーカーにとって、これは理想的な選択であり、いくつかの用途では最大100%の砂糖代替を達成できます。エバースイートは、ゼロスエリスリトールまたはオリゴファイバーチコリ根繊維と組み合わせて、砂糖の体積と機能を置き換えることもできます。クッキー、ケーキ、シリアルなど、さまざまな焼き菓子やスナックに使用できます。

スウィートグリーンフィールズは、テイト＆ライル社と共同で、味の改善とコスト効率に優れた新世代の非遺伝子組み換えステビア、ステビア4.10とインテス・ステビア2.0を発売しました。「どちらもステビアから抽出され、従来のRA95からRA100の味を上回り、中程度の糖分削減の需要を満たすステビオール配糖体の最適化された混合物です。より高い糖分削減目標を達成するために、インテス・ステビア2.0は苦味のないスクロースに似た爽やかな味を提供します」と、スウィートグリーンフィールズの上級販売副社長マイケル・クイン氏は述べました。ステビアのステビア4.10は、最大6または7°ブリックス（Bx）の砂糖を置き換えることができ、インテス・ステビア2.0は最大8°ブリックスの砂糖に達することができます。両方の原料は、スナック、焼き菓子、キャンディーに使用できます。

イングレディオン社は最近、メーカーが最適なコストで最高レベルの糖分削減を達成できるよう、ENLITEN Fusion ステビア甘味料を発売しました。「各甘味料は、さまざまなステビオール配糖体の最高の特性を組み合わせて開発されており、メーカーはさまざまな食品用途で消費者の味、カロリー、甘味の期待にさらに応えることができます」と、同社の甘味料市場マネージャーであるエレナ・ザレフスキーは述べています。彼女はまた、低糖シロップ、ポリオール、果物と野菜の濃縮物、プレバイオティクス繊維などの機能性成分が、糖分削減によって失われた有益な特性を補うのに役立つと指摘しました。

最後に、天然のオーガニック蜂蜜について一言。True Source Honey によると、すべての蜂蜜が合法かつ倫理的に調達されているわけではないそうです。「消費者は、健康に良い天然食品を求めているため、砂糖の代用品として蜂蜜を使用した製品を喜んで購入します。True Source Honey プログラムは、蜂蜜製品の評判と品質を保護するために設計されており、倫理的かつ合法的な供給元から透明性と追跡可能な方法で蜂蜜を調達することに尽力しています。True Source 認証プログラムは、蜂の巣から梱包業者まで蜂蜜が責任を持って調達されていることを保証する、国際的に認められた第三者企業によって監査されています。」

北米で販売される蜂蜜のおよそ 30% は True Source 認証を受けており、第三者監査に合格すると、製造業者はパッケージに True Source Honey または Made with True Source Honey のロゴを使用できます。

要約すると、砂糖代替甘味料は間違いなく、消費者とメーカーの間で幅広い注目を集め続けるでしょう。